2021年4月1日、この日がやってきた。前日は新しいノートパソコンのセットアップや、YouTubeの設定をしながら寝落ち。それでも時間通り、5時に目覚めるのは、早朝のバイトを約3年間続けてきたおかげだろう。
今日はレンタカー屋さんに、予約していた車をとりに行かなければならない。久々に電車にのった。少し離れた、安いレンタカー屋さんにしたので、約2時間電車に揺られる。
朝という時間帯もあって、学生やサラリーマンが変わる変わるのってくる。
僕は学生の頃、どんな気持ちで電車に乗っていただろう。つまらない日常にうんざりし、自分の小さな世界から、抜け出したい……。そう思っていたことを、思い出した。その小さな世界は、親や学校、社会からも守られた、温かい場所だったと、大人になってから気付くことができた。
電車を降りるとき、振り返れば電車内にあの頃の僕がいる気がした。でも僕は振り返るのをやめた。もしあの頃の僕がいたら、背中を押されるどころか、きっと背中を蹴り飛ばされていただろう。
僕はもう、非日常にいる。一ヶ月旅に出るというのは、僕の中では日常とかけ離れている。同じ空間にはいるが、果たしてすれ違う人たちに僕は見えているのだろうか。
車に乗り込んだ。ウインドウにうっすらと映る僕の姿は、紛うことなき拝師ねるである。
ぶいたび、始まります!